"関節した側板"を意味するアースロプレウラは、あの有名SFドキュメンタリーシリーズ「プレヒストリック・パーク」(え、知らない？)に出演したことで世間にその名を知られるようになった石炭紀の象徴的な節足動物です。「コダイオオヤスデ」という和名の通り、彼らは巨大なヤスデに近い仲間でその体長は最大で2mを超えることもあり、もはやそれは単なる"不気味に這い回るキモいヤツ"の域を超え"節足動物の覇者"にふさわしい体格となりました。そんなデカい虫が這いまわっていたなんてさぞ恐ろしい、と思いますが実はこの優しき巨人は植物食(植物を中心に食べる)か腐肉食(生物の死骸を食べる)であったと考えられています。科学者は化石に残らなかった彼らの口に着目しました。もし彼らが肉食なら、硬い肉を食べるために発達した硬い口が化石として残るはずだと考え、口が残らないということは、彼らは草食か腐肉食であると推察したのです。アースロプレウラは他の動物を捕食しませんでしたが、決して無防備ではありませんでした。幾重にも連なった頑丈な外骨格に加え、現代のヤスデ同様、身の危険を感じた際に毒を分泌した可能性があります。アースロプレウラは石炭紀の北アメリカとスコットランドで繁栄し、石炭紀特有の熱帯雨林の林床を這い回っていました。当時節足動物はこのような森林において非常に優勢な生物種であり、それに様々な要因が加わった結果アースロプレウラやメガネウラなどの動物が巨大なサイズに成長することができました。当時の環境は植物も以前の時代をはるかに超えるサイズで成長させ、トクサの仲間のカラミテスや鱗状の樹皮を持つレピドデンドロンは、それぞれ30mを超える高さまで成長しました。しかし、石炭紀の終わりにはその生態系の要である熱帯雨林が減少したため、栄華を極めた巨大昆虫たちは一匹残らず姿を消しました。